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どこでも仕事ができる時代にこそ、 新たな価値創造を生み出す必要とされるオフィスとは。

カルビー様 丸の内本社リニューアルプロジェクト

『ポテトチップス』や『じゃがりこ』で有名なカルビー株式会社。東京・丸の内にある本社オフィスが、2021年9月リニューアルされた。誕生したのは、社員同士のみならず社外からの来訪者も含め、人と人とが有機的に交じり合い、コミュニケーションが生まれ、新しい価値創造へとつながる空間だった。Withコロナ、アフターコロナにおけるオフィスの新しいあり方に一つの答えを提示した、その新オフィス誕生の背景を追う。

伊藤猛ワークスタイルデザイン統括部 第2デザインセンター

新卒入社、12年目。長きにわたり、インテリアデザインに携わってきた。数々のクライアント企業のオフィスリニューアル案件の他、イトーキの本社オフィス『ITOKI TOKYO XORK』の設計も担当。
大切にしているのは、「クライアントの声を聞くこと」。

田中碧ワークスタイルデザイン統括部 第2デザインセンター

学生時代は建築学科を専攻。就職活動中にイトーキのショールームを見学した際、そのデザイン性に惹かれて入社。現在、5年目。様々な企業のオフィス内装のデザインに携わってきた。
「一つ一つ一つひとつの仕事を丁寧に行う」が信条。

谷嶋明澄プロジェクト営業統括部 プロジェクト第2支店

入社6年目。プロジェクトマネジメント部門にてオフィス移転・リニューアル案件に携わった後、営業部門へ。大手クライアント、設計会社・デザイン会社などを中心に担当している。
目指すのは、「クライアントにとって、何でも相談できる人」。

新しくなるワークスタイル。オフィスはどうあるべきか

始まりは、2020年末のことだった。カルビー社は以前から、常識や慣習にとらわれず先進的な働き方への進化を果たし続けてきた企業であるが、その同社がまた新たな挑戦に踏み出そうとしていた。2020年夏、『Calbee New Workstyle』というビジョンを掲げ、Withコロナ・アフターコロナにおける新たなワークスタイルの確立を目指していた。その一環として本社オフィスをリニューアルする計画が立ち上がったのだった。

このリニューアルプロジェクトをその後担うことになるデザイナー田中はこう話す。
「日々の出社率がコロナ以前の半分以下になると想定される中、“理想のオフィスとは何か”、“価値創造と成長を続けていけるオフィスとは何か”を、カルビー様は模索されていました。そこで2020年末、本社オフィスリニューアルに向けたコンペが開かれたのです」。

競合他社5社も集まったオリエンテーションでカルビー社から伝えられたのは主に次の内容だった。「キーワードは、共感・協働・共創。オフィス面積を2フロアから1フロアに集約する代わり、人と人が集い、より多くのコミュニケーションが発生する中から、新しいアイデアと価値の創造が活性化していく未来を実現したい」。

企業が大切にしていることを知り、企業の理想実現に寄り添う

オリエンテーションを受け、イトーキ社内にプロジェクトチームが編成された。デザイナー田中や伊藤をはじめとしたメンバーらは具体的な提案内容を模索する前に、あらゆる手段を使って情報収集を重ねた。クライアントのことを知り、クライアントらしさを表現する。アイデアの“押しつけ”では決してない提案をすることは、イトーキの流儀でもあった。

そしてオリエンテーションから約1ヶ月。プレゼンテーションの場でカルビー社の心を掴んだのは、提示したコンセプトだったという。デザイナー伊藤は、コンセプト策定についてこう振り返る。
「カルビー様は40年以上に渡り、契約生産者様と二人三脚で土づくりからポテトチップスに適したジャガイモづくりに取り組んでこられました。ビジネスの源泉とも言えるそのこだわりを、オフィスでも表現したいと考えました。そこで、“畑”を重要なモチーフにして、『明日の働き方を支える豊かな土壌』というコンセプトを作成。オフィスを畑に見立ててアイデアが次々と掘り起こされていく場にしようと考えたのです」。

そして本社リニューアルのパートナーとして、イトーキが選ばれた。「自由闊達で遊び心のあるカルビー様らしさに溢れたオフィスにしたいと、プロジェクトメンバー全員でアイデアを出し合いました」と田中が語るように、新オフィスの具体的設計案には、カルビー社らしさが表現された工夫が随所に施された。エントランスにはジャガイモ畑をイメージさせる縦格子を、執務エリアへと続く扉には畑のグリーンアートを、来訪者も立ち寄れるカフェエリアの天井にはジャガイモを模したイラストが描かれることになった。

また、肝心の共感・協働・共創のキーワードは、これまでのオフィスでは考えられないチャレンジングな取り組みにとって体現されることになる。直線的・規則的なレイアウトに同種の家具が並ぶという従来型のオフィスではなく、あえて不規則なレイアウトを採用。執務スペースとコミュニケーションスペースをランダムに並べ、家具類も多種多彩に。オフィス内の動線を干渉させて、歩けば誰かとすれ違う設計にした。人と人が有機的に混じり合い、自然とコミュニケーションが発生する空間を目指したのである。

社会がより良く変わっていく、その力になろう

2021年9月6日。カルビー社の想いが表現された新オフィスは稼働を始めた。リニューアル後に行われたカルビー社の社内アンケートでは、新オフィスに対する従業員満足度は70%超。“社内のコミュニケーション量の増加を実感している”という数値も出た。本社リニューアルを経て、カルビー社とイトーキとの間ではまた新たなプロジェクトも動き出しているという。現在、カルビー社を担当する営業・谷嶋はこう話す。
「お客様と打合せをする中で、伊藤さん、田中さんたちへの信頼の高さを実感します。本社リニューアルで築いた信頼関係を基盤に、現在は全国各拠点の改修などのご相談をいただいています。これからも末長くパートナーとして、カルビー様の挑戦に貢献していけたらと願っています。時代が進めば、カルビー様が理想とする働き方もまた新しく変わっていくはずです。その度に理想を実現するお手伝いをしていけるよう、時代に寄り添った提案をしていけたらと思っています」。

プロジェクトを終えた今、田中はこんな想いを大きくしているという。
「多くのお客様と接する中でも“働き方を新しくしたい、時代にマッチしたオフィスを実現したい”というニーズの高まりを感じます。そうした社会の声にお応えしていくためにも私たちは、今まで以上にチャレンジしていかなくてはいけないと感じています」。
その言葉に伊藤も同調する。
「田中さんの言う通り、お客様に新たな価値を提案していくためには、すでにある“流行り”を追うのではなく、次のトレンドを自分たち自身でつくっていかなければいけません。そのためにも、私たち自身が率先して変化と進化にますます挑んでいかなくてはと思っています」。

5年後、10年後、私たちは果たしてどんなオフィスで働いているだろうか。日本中に、どんなオフィスが誕生しているだろうか。

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オフィス、公共施設、病院、学校・・・。
多様な場所にイトーキはソリューションを提供しています。 それぞれの場所と使う人に寄り添う多様な空間をご覧ください。

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